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投稿|2020年12月14日  更新|


はじめまして.田端祥太です.建築や都市の数理的な側面に着目して研究する博士課程の学生です(2019年12月時点). 当ホームページは,学部や修士の学生に,建築や都市の数理的研究が面白いと感じてもらいたいと思って作りました. 数理的な表現が知見を生み,デザインを飛躍させるという醍醐味を味わってもらえるような内容にしていけたらと思っています.

そもそも,現象や目的を数理的に表現することは,大変に難しいことです.特に建築・都市においては,構造や環境を別にして,この点は顕著でしょう. なぜなら,登場人物が多様である(所有者,設計者,管理者,使用者...)ため,何を目的にして,どのような数理的表現をしたらいいか 途方に暮れてしまうからです.それでも,コンピュータの発達以前から,圏域論や施設規模論などにおいて数理は力を発揮してきました. どこを切り取り,どんな数に落とし込むかが明快だと,そこから生まれる帰結は,鋭く,かつ,力強くなるものです.

そして昨今,建築・都市の数理は,理論的にも技術的にも発達を続けています.さらに,パラメトリックデザインやコンピューテーショナルデザインという言葉が生まれるくらい, エンジニアリングのみならずデザインの範疇でも,数理の潮流が大きくなっています.コンピューターの性能の向上やプログラミングが我々の身近になったことが, これらの後押しになっていると仮定すると,数理の分野は今後ますます広く,深くなっていく面白い領域だと言えます.

問題は,他人に建築・都市の数理を面白がってもらうために,何かをしないといけないということです. 分野自体は面白いので,他の人たちも自然と面白がってくれるようになるのではないかと思っていたのですが,後輩たちを見ていると,どうやらそうでもないらしい ということに,私は最近気づき出しました.多くの後輩が,面白い切り口を見つけて数理的な表現に着地させるというプロセスを満足にできずに, 卒業していきます.そのプロセス自体は難しいので,完璧にできないほうが当たり前です.しかし,私が個人的に辛いと思うのが, 後輩が数理的研究が苦しいと感じたまま卒業していくということです.これをなんとかしたいと思ったのが,当ホームページを立ち上げたきっかけです.

建築・都市の数理は,まだまだメジャーな分野ではないので,研究するにあたり何を勉強すればいいのかわからないというのが,後輩たちが 研究が辛いと思う原因のひとつとして大きいようです.また,数理を目に見える形にするためにプログラミングをしなければならないというのも 障壁になっています.当ホームページは,TIPSにて,それらを克服する手助けをしていきます. BLOGでは,建築・都市の数理的な研究者がどのように研究を進めているのかや面白い研究トピックについて紹介していきます.

当ホームページが,建築・都市の数理の世界を広げることに役立てば幸いです.

田端祥太
e-mail: tbtgoat.contact[at]gmail.com